ギルティ道中備忘録1
ギルティ筐体で対人戦ができるゲーセンが遠い。
様々な事情でギルティをやりたくてもできないことがもどかしく感じる時がある。
周りのせいにしてはいけないけれど。
家でネット対戦の環境がなければ、なにかしらのツールで繋がっていてもそれを生かしきれない。
初心者がアケコンを持ったとしても、本体がなければ正しい入力ができているのかもわからない。
けれどギルティギアというゲームを渇望している自分にとっては些細なことでもあの感覚を味わっていたかったのだ。
……と今の状況をかっこつけて語ってもそう意味はない気がするので、せっかくなのでここで自分が初めてゲーセンでギルティギアをした思い出でも書いて、気を紛らわすことにします。
――初めて筐体に座ったあの緊張感と高揚感は一生忘れないだろう。
とあるゲームセンターの階段を上がって格闘ゲームエリアの一角に目当ての筐体が並んでいる。
動画で何度も見たキャラクター、オープニングが流れている。
昼間に来たので、人はいなかった。どこに座ろうかと逡巡した後、人目に付きにくそうな場所を選んだ。
財布から100円を探したが、投入口に50円と書いてあって驚いた。
小学生だった時分、友達が寂れた商店街の片隅にひっそりとおいてあったアーケード筐体に50円を入れて、何やらゾンビを倒したりゾンビになったり忙しいゲームをしているな、という感想しかなかったので、筐体といえばそういうゲームしかないものだと思っていたのが懐かしくなった。
(その当時から数年後それがメタスラだと知った)
話が少し逸れてしまったので戻します。(笑)
50円を入れる……前にチュートリアルができると画面に表示されているではないか。正直ビビった。めっちゃビビった。
タダでいいの…?と思いつつおぼつかない手でスタートボタンを押す。すると、キャラクター選択画面びソル=バッドガイの姿。
キャラは固定されているので、操作方法は初プレイなのに動画のプレイヤーよろしくテクニカルモードにしてスタート。
ジャック・オーというかわいい女の子キャラに説明を受け、基本的な操作を教えてくれたり、時に応援してもらいながらミッションのクリアを目指した。
1回目は操作が上手くいかず時間切れ。悔しかったのでもう一度。
次は必殺技を出す所で時間切れ。技が出なくて四苦八苦した。
5回目頃だろうか、画面のスティックの挙動を表示してくれるアイコンを頼りにようやくガンフレイムを出すことができ、山を乗り越えすべての課題をクリアできホッとした。
同時にものすごい達成感と、ナビをしてくれたジャックがおめでとう!と言ってくれたのが本当に本当に嬉しかった。
時間の余裕がなく、しばらくソシャゲ以外のゲームから離れていた自分が、据え置きのゲーム機を熱心にやりこんでいた時の記憶が蘇り、夢中になってレバーを倒しボタンを押した。
ひとがいないのを好機とばかりにしばらくチュートリアルで何度も練習。そのうち制限時間が多少余る程度にクリアできるようになってきたので、意を決して50円を投入。
ちっぽけな金額かもしれないが、これでゲームセンターやゲーム会社さんにお礼ができて自分も楽しめるなんてなんて贅沢か、と調子のいいことを考えつついざスパーリングモードでキャラクター選択へ。
……実は、ここでめっちゃ悩んだ。
ギルティギアは伯父がXXをやっていたのを隣りで見ていたのでキャラクターは多少は知っていたが、今回改めて興味を持ったきっかけがスレイヤーだったのだ。
その後ギルティにどハマリし色んな動画や情報を漁るうちに、ギルティでは普通にダッシュできるキャラと一定距離を進むステップタイプのキャラがいることを知った。さらに動画を見れば見るほどステップの無敵付加やステップの奥深さに舌を巻く日々。
そして今筐体に座っているのは格ゲード初心者の自分。さんざ迷った挙げ句、次点の候補の1人であったソルさん(自分がお世話になっている立場なのでそう呼ばせてもらっている)を選んだ。ソルさんに基礎を教えてもらってから他のキャラを使ってもいいのではないか、という気持ちが勝ったのだった。ほんとすみませんスレイヤーさん。
制限時間は10分。筐体に貼り付けてあるコマンドをガン見してはレバーを回す。運良く必殺技が出たり、出なかったり。これがなかなか難しい。
しかしこんなにきれいなグラフィックで、アニメーションさながらのかっこいい動きをしているキャラクターや作り込まれた背景に見とれてしまった。とりあえずボタンを押すだけでも楽しい。キャラクターを思いっきり走らせるだけでも爽快だった。
時間も限られているので、なんとか全部の必殺技を出したい!と我に返りまたコマンドとにらめっこ。あとファフニールとタイランレイブだけが出ない。そうこうしているうちに時間切れになってしまった。その日は他に用事もあったので、初めてのゲーセンで格闘ゲームはひとまずここまでとなった。
だがその後しばらく興奮が収まらなかった。
楽しすぎてもうすぐにでもゲーセンに戻って筐体に座りたいところだった。なんとなく感じただけだが、格闘ゲームはまったくの初心者には厳しいと言われているのは承知の上で、この時ギルティギアから離れられない、離れたくないと強く思った。
そんな思いを抱えつつ、次はファフニールとタイランレイブを出せるようにする!!と意気込んでゲーセンを後にした。
その後、自分でも予想だにしなかった展開になるとはつゆ知らず。
20180205